家相・風水とどう付き合うか |
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家相 ・ 風水 |
家相も風水も中国の長い歴史が生んだ仙道五術(*)が元になっています。
しかし、ルーツは同じながら、家相と風水はそれぞれ性質が違うものです。
ごく簡単な説明に留めますが、風水とは地理学的な性質を持ち、
風や水の流れを判断し、そこに住む人が安心して暮らせる場所を定めるもの
家相は家の位置・向き・間取りなどから住んでいる人の吉凶を占うものです。 |
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設計にあたって |
特に住宅の設計において、何度も打ち合わせを重ねて形になりつつあるものが、
クライアントのお知り合いの「家相見」の意見によって方向性が変わる事があります。
実際こうした家相や風水を気にしている人々は決して少なくありませんし、
設計者側としても多少気を使わなくてはならない事項になっています。
しかし、家相や風水には不確定な要素も多いため、
すべてにその制限を設けて考えようとすると、混乱が生じる事もあるのです。
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どこが中心? |
例えば家相の鑑定では、まず家の中心を求め、
そこから北の方向を設定することが基本なのですが、
中心の取り方が、建物の重心であったり、
主人の居室であったりと多くの説があるのです。

もうひとつ、北には磁北(磁石が指す北)と真北(地図上の北)があります。
関東地方で約6.5度、北海道では約9.5度のズレがあるのですが、
どちらを採用するかは家相見によって見解が異なります。
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どう捉えるか? |
例えば香港では家相・風水が生活の中に深く浸透しており、
一年に何度か風水師がオフィスの模様替えなどを行うそうです。
もちろん建築家の建て方、形、そして街づくり全体にも大きな影響を及ぼしています。

「鬼門」とは北東をさし、風水上鬼門は水気を嫌うことで知られていますが、
確かに家の北東にあたるところは冬の北風が強く吹き付け、日当たりも良くありません。
そういった場所に肌を出す水周り(風呂・トイレ)や
食品を扱うキッチンを設置するのは好ましいとはいえないので、衛生的に理にかなっているといえます。

家相・風水は「迷信」「占い」の類を出ないものという声も確かにありますが、
それらを実際生活の一部として利用している人々は多数おり、
内容に関しても正論を述べている部分が多々見受けられます。
ですから、家相・風水はあくまで先人たちの教えとして受け止め、
それを自分なりに解釈することによって安心感や心構えを得ることが出来れば良いのではないでしょうか。
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※仙道五術
仙道五術とは、「山・医・命・ト・相」(さい・い・めい・ぼく・そう)という5つの専門分野からなる
中国周代の老子に代表される思想。
「山」山で修行する術。少林拳等の武道、禅僧の瞑想、性愛の房中術等
「医」針灸、漢方、方済、引導、霊治等の医術
「命」四柱推命や天文等の宿命をみる学問
「卜」易・五行節・気学・遁甲方術等の運命の変化をみる学問
「相」手相・人相・家相・墓相・地相等から物事の真理をみつけようという学問
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